辺境カフェ café frontière

辺境を愛する旅人の書

メタファの力、絵の力

 

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メタファというのは、「比喩」とか「たとえ」という意味です。

 メタファを実は日々たくさん使っている

わたしは、特にメタファ的な表現に興味をもって、意識的によく使っていますが、そうでないふつうの人でも、日々、頻繁にメタファを使っているのですよ。

「気をつかう」

「腹がたつ」

「夢中になる」

「晴れ晴れした」

というような、慣用句も、実はメタファ的な表現になっています。特に「気」とか「腹」がつくような日本語は、たくさんあります。ふつうの人の、ふつうの生活の中でも、目に見えない「気」とか、体感覚とかを、実は、日常的に感じているってことじゃないかな、少なくとも昔の日本人はそうだったんだなあ、と思っています。

 

わたしの「たまご」のメタファ

さて、ここから先は、わたし自身の体験、ちょうどいま体験していることのお話です。

しばらく前から、何か腹の奥底で、ずーっと長い間、沈黙を保っていたたまごが、うごめいているような、そんな感じがしていました。

たまごの中にいるものは、生命力にあふれているのですが、かわいいひよこっていう感じでもなく、深い低い音で、ググっとうごめく。何やら、底知れない、という感じで、ちょっと、こわい。出てきてほしいような、出てきてほしくないような。。。

 

頭で考えると、真ん中からずれる

これは、何なのかしらと、頭でもいろいろ考えました。

  • 生まれてこのかた、子どもが産みたいとはあまり思わなかったが、モロッコで、人間らしい健康的で余裕のある暮らしをするようになって、子どもが産んでみたいという気持ちが芽生えてきたかな、とか。
  • のんびりゆったり生活をする暮らしに飽きて、何かを産み出したい気持ちが高まってきた、とか。
  • フリーランスで自由な身なのだから、モロッコのシディイフニにずっといなくても、もっと国内でも海外でも、別の場所の仕事も探そうかな、シリア難民支援の仕事にも興味がある、とか。
  • コーチングの勉強を、何年か続けてきたけれど、そろそろ、勉強だけでなくて、実際にプロとしてサービスを提供できるようになりたいな、とか。

まあ、どれも、それなりに真実だとも思いつつ、頭で考えて言葉にしてみると、何か少しずつ、ど真ん中からは、ずれている感じがします。

絵を描いてみる

そこで、書いてみたのが、この絵です。

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  • たまごから、出て来たのは、ふたばだった!
  • ふたばは、影にかくれて人目につかないところで芽生える。いつ生まれるのか、と思っていたけれど、実はもう、こっそり芽生えていた。
  • 外の土に植える、そこが重要なポイント。
  • 地上のふたばは、なかなか育たない。なんの木かよくわからない。でも、地面の中をのぞいたら、すごいことに!太くまっすぐ深く伸びていく根と、細くて横に広がっていく根。2種類の根が、ぐんぐん伸びていた。
  • とすると、これはアルガンの木。アルガンの木は、モロッコ南部の乾燥地で、ほとんど水がなくても育つ強い木。地表の木の成長はゆっくりだけれど、太くて深い根と、広くしなやかに拡がっていく根の2種類の根をはって、水を集める。

途中では、その根は何を意味しているのか、などと、いちいち解説する必要はなくて、メタファの世界に浸ったままで、展開していきます。

すると、だんだん、自分の中に納得感が拡がっていきました。

 

 

メッセージを受け取っていたことに気づいた

 そして、ああ!とひらめきました。

4月の末に、日本への一時帰国からモロッコの自宅に戻ってきた時に、台所の流しにふたばが生えていたのですよ。おかえりなさい、と言われた気がしたのでした。

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そうか、あれが、メッセージだったんだ。あの時に、帰ってきたわたしを、ふたばが芽生えて、待っていてくれたんだ。

 

他の国で仕事をすることは、今じゃなくても、あとでもできる。今は、モロッコのシディイフニで何ができるか、チャレンジしてみたいんだ。そして、実は、もうすでに、根ははりつつある。地表のふたばはまだまだ小さく弱々しいけれど。

 

最近、家の中にこもっている機会が多くて、いろいろひとりで頭の中で考えてしまったけれど、とにかく外に出て太陽に当たって、人と会えばいいんだ。すると、地表の成長はゆっくりでも、根はどんどん育つんだ。地表から水を与えられないこと(=収入がないこと)を心配しなくても大丈夫。根が育っていったら、地中から水が集められる。

 

「クリーンランゲージ」のワークショップで描いた絵

この絵を描いたら、そうそう!と思い出して、もう1枚の絵も引っ張り出してきました。

 

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これは、今年4月、日本に一時帰国中に、「クリーンランゲージ」の体験講座と、実践ワークショップを、3日間受けた時に、最後に描いた絵。

テーマは「2016年度、あなたは、何が起きればいいのでしょう?」

 

絵はパワフルに、記憶と繋がっている

ふふふ、へったくっそですけど!

でも、誰に見せるためでなく、わたしのためと思ったら、この絵、その時とったノートを見るよりも、ずっとパワフルにその時のことが想い出されます。

 

2016年度、わたしは、何が起きればいいのか?

自転車にのって、丘を越えていって、モロッコのおばちゃんたちと友だちになりたい。おばちゃんたちは、ニコニコしてやさしくしてくれる。わたしは、虫めがね片手に、ペンを片手に、目を大きく開いていく。クリーンランゲージで習った「先入観で相手を汚染しない質問」も活かしながら。そうすると、おばちゃんたちや、子どもたちから、本当の声が聞けるようになる。人の声だけじゃなくて、木霊みたいな土地のたましいの声も、聞こえてくるようになる。

 

この絵と、今回描いた「たまご→アルガンの芽生え」の絵で、わたしが、いま一番したいことが、あらためて腹落ちしました。

 

これで、もう迷わない、かな?いや、また、たぶん迷うんだけれど、なんどもなんども、迷った方が、どんどん中心が定まってくるから、迷ってもいいんだ。でも、家の中でひとりで迷わないで、外に出て、太陽に当たって、人に会いながら、迷おう!

 

と、すっきりしたエネルギーが湧いてくるところまで、たどり着けました。

 

クリーンランゲージとは?

ところで、クリーンランゲージとは、何か。

 

わたしは、今、これにとても興味をもって、勉強を深めたいと思っています。ゆくゆく、このブログにも、詳しく紹介したいと思っていますが、今回は、かんたんに。

 

わたしの理解を説明すれば、コーチやファシリテータが、評価や判断をせず、先入観を持たず、話し手(クライアント)の語る世界観を汚染・介入しないで、話し手自身の気づきが深まることを支援するための手法です。傾聴のための手法と言い換えてもいいかも。そのために、メタファを使うのが重要なポイント。

 

下記リンクが、わたしが4月に参加したワークショップのページです。クリーンランゲージについての解説も載っているし、主催者の「へんてこ書房」のみなさんは、他にもとても面白い共感できる活動を繰り広げているので、よろしければ、リンク先も御覧ください。

 

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