わたしのうちから、徒歩5分のところにモスクに併設されたハマームがあります。
モロッコの「ハマーム」って?
「ハマーム」とは、「スチームバス」、「蒸気風呂」のこと。
高級リゾートホテルのハマームは、「スパ」や「エステ」っていう、おしゃれな雰囲気で、モザイク模様が美しいタイル張りの部屋だったり、アルガンオイルでマッサージしてくれたり、うっとり夢見心地のリラックスタイム。
他方、シディイフニのように、ふつうの田舎の町で、ふつうの人が行く「ハマーム」は、そういうおしゃれなものとは違います。ようするに「公衆浴場」。浴槽こそないけれど、雰囲気はまさに「銭湯」そのもの。
石鹸とか、垢すり手袋とかをいれた「マイお風呂セット」を持っていって、中に入ると脱衣所と湯上りに、休憩するベンチなんかがあります。
さらに奥には扉があって、そこを開けると、もくもく湯気が立ち込める、タイル張りの部屋がいくつか。部屋ごとに熱いお湯と冷たい水の蛇口が、ついていて、バケツがたくさんおいてあって、熱いお湯がためたります。そのバケツから湯気がのぼって、部屋をあたためている。
個人で使うバケツも貸してくれるので、いくつかキープしてお湯をためたら、どこか片隅に陣取って座ります。体に石鹸やガスールを塗りつけたり、垢すりをしたり、おしゃべりしたりしながら、思い思いにのんびり時間をすごします。ハマームの人に垢すりをお願いすることもできます。
ふつうは、パンツ(下着)を履いたままで入ります。でも、脱いじゃう人もいます。個人の自由みたい。タオルで胸を隠したりしている人は、見当たりません。ボリューム感満載の地元のおばさまたちが、バーン!と、裸で、正々堂々としています。
料金は、うちの近所のハマームは、12DH(約150円)でした。
パンツ一丁の美人姉妹
そんな中、20代ぐらいの女の子がふたり、すらっと引き締まった、スリムな体型です。おお、スタイルがいい、と思ってみていたら、きびきびと動き回って、床を掃除したり、バケツを集めたりしています。あ、ハマームで働いている人か?
みんなと同じパンツ一丁の姿で、足を前後に大股開きでデッキブラシでゴシゴシ床をこすったり、重いバケツを運んだり、お湯の蛇口を出しっ放しにしている人をしかったり。なんだか、みていて、かっこよく、心地よい動きでした。
そして、わたしが脱衣所で、服をきていたら、すぐ脇に梯子があって、梯子の上から、急に、その女の子が現れた。引き続き、パンツ一丁のすがたで。明かり取りの窓が上にあるし、なにかお湯の設備とかがあるのかもしれない。パンツ一丁で、はしごからきびきびと降りてきたので、微笑んでしまいました。
そして、脱衣所の番台みたいなところで、その女の子たち、二人並んで、お客さんからお金をうけとったり、預かった貴重品を返したりしている。引き続きパンツ一丁のままで。並んでいるのをみたら、顔がとても似ています。ラシダとジャミラ。姉妹だそうです。
ハマームのチャーリーズエンジェル、って言葉が浮かんだ。ユニフォームは、パンツ一丁なんですね。おもしろい。