辺境カフェ café frontière

辺境を愛する旅人の書

わたしの理想の彼氏

2015年に離婚した少しあとで、こんな詩を作ってFacebookにアップしてありました。われながら、なかなかの力作、名作だと思っているのです。

何を探しているのかがわかれば、見つかる可能性も高まるはず、と期待していたのですが、残念ながら、いまだに出会う気配がまったくないので、掘り出してここにアップしておくことにしましょう。

 

 わたしの理想の彼

雨にも負けず、風にも負けず、

社会の同調圧力にも、権力や安定の誘惑にも負けず
欲はあり、実はとてもあり、でもそんな自分をいつも静かに笑っている

美味しいものを美味しいと言いながら食べ、

でも食べ過ぎず飲み過ぎず、野菜も食べて運動もして、健康と若々しさを保ち

あらゆることを自分事で考えてみる事ができて、よく見聞きしわかり、でもすぐに忘れちゃう


ひとりでどこかに旅に出たかと思えば、風のようにヒラリと帰ってきたり、いつどこにいるのか捉えどころがなく

東に新しい学びがあれば面白いからちょっと行ってみようと言い、

南に飢えた子どもあれば、自分にできる事は何だろうと考え、

北に疲れた母あれば行ってただその話を聞き、

西に美しい夕日あれば黙って一緒にただそれを眺め

たくさんの笑いとバカバカしさ、たくさんお互いに褒めて褒められて、

逢うたび新しい発見、あらためて互いを好きになり

決して威張らず、コントロールせず、大らかで柔軟で自信と勇気にあふれ、

でもたまにちょっと寂しがり屋で甘えん坊で弱虫で、悩んでは涙を流してオロオロ歩き

たいてい二人は、別々の場所で別々の人々と別々の事をして別の事を考え、

時たま、そのうちのいくぶんかを分かち合っては微笑みと智慧を交わし、

時には二人で同じタイミングで同じことを言っては顔を見合わせて笑い

皆に風に流れ形を変え続ける雲のような二人だと言われ
束縛はせず約束もせず

そういう彼氏が、わたしはほしい