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理想のおばあちゃん

今週のお題「理想の老後」

はてなブログ今週のお題「どんな老後を過ごしたい?」でブログを書いてみることにしました。以前もお題で書いてみた時に、いつもより読んでいただけたようだったので、うれしかったです。読者がいないとブログを継続するのがつらくなるので、「お題ライティング」、ブログの練習に、ちょうどいいですね! 

さて、「理想の老後」といって、まず思い浮かんだのは、おととし、106歳で亡くなったわたしの父方の祖母。とても、大きなおばあちゃん。大好きでした。尊敬していました。わたしは祖母に顔も性格も似ているところがあると、人にも言われるし自分でも思います。自分を好きになれないとき、自信を失ったときには、「でも、わたしはあのおばあちゃんのまごで、おばあちゃんに似ているのだから」、と考えると、少し希望が湧いてきます。

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いねおばあちゃん100歳の誕生日の年。敬老の日に総理大臣から表彰状が届きました。

おばあちゃんはどんな人だったか。どんなところが好きだったか。どんなところを尊敬していたかを書いてみます。

 

・とても聞き上手。おばあちゃんの周りにはゆったりした空気が流れていて、しぜんに人があつまってきます。何もするでもなく、何を話すでもなくても、おばあちゃんの近くで何時間でも過ごすことができます。そして、おばあちゃんに何を話しても、評価されるでもなく、アドバイスしてくるでもなく、ゆったりと話を受け止めてくれました。

・100歳を超えても、和紙で日本人形を作ったり、縫物、編み物をしたり。いつも、シャンとして、何かをしていました。祖母のまわりには、いつもすっきりした空気が流れていました。服装も、何も贅沢をしているわけでもないけれど、すっきりとした素敵な服をきていました。あれは、若いときに買ったり作ったものだったのかな。服装も姿勢も決して、だらっとしないんですよね。

・明治生まれ。戦前、戦中、戦後の大変な時代に、うちの父を含む7人の子どもを育てました。夫(わたしの祖父)は、わたしの父母が結婚するころに亡くなったみたい。祖母は長く保険の営業の仕事をしていたみたい。苦労の多い人生だったと思いますが、いつも他人のことばかり気にかけ、自分に関する愚痴や弱音は聞いたことがありません。負けず嫌いで、意思が強い。

・心が広くて、大きくて、簡単にはJudgeしない。褒められた記憶はありますが、価値観を押し付ける、という感じではないのです。それぞれの人の、それぞれの個性に合わせて、見守ってくれる、肯定してくれるという褒め方。そして、無駄口はたたかない。余計なことは言わない。

 

こうして書いてみると、おばあちゃんの好きなところは、「空気」とか「あり方」につながっているような気がします。おばあちゃん自身は、ただいるだけで、その周りに影響を与える存在。

 

年をとれば、誰でも身体は動かなくなるし、できないことが多くなる。何かを「する」ということによって、まわりに貢献したり、影響したりすることは難しくなる。

そこにいること、存在、在り方によって、周りの人々が、気持ちのよい空気を感じることができるような、そんなおばあちゃんにわたしもなりたいです。